有名な美容家はみんな言います。 「お化粧をすることは皮膚にとってよくない」と。 よくないことをこれからも続けていくには相当な勇気がいります。 また、反対にこれまで続けてきたことをやめる勇気も相当なものです。 勇気とともに辛抱もいります。 　クレンジングクリームで化粧を落とし、石鹸で洗顔、その後マッサージ。 それが終われば拭き取り用化粧水で拭き取り、パックを。 パックがすめば化粧水をはたいて乳液、ナイトクリームをたっぷり 塗ってベットに入る。この作業を十年、二十年と繰り返してきた人に とって、基礎化粧品の使用を一切やめるなんてことは、大冒険にも 等しいことです。一大決心してやめたとしても、その後がまた ちょっと大変です。 　石鹸洗顔の後、何もつけないでいるとツッパリます。肌が切れる ようで痛い人さえいます。これは、本来もっているはずの皮脂分泌 機能が基礎化粧品によって退化しているから起こることなのです。 「よけいなシワが増えるみたい」と鏡の中の自分の顔を見てため息を つきそうになるのもこんな時です。しかし。ここでまた以前のように 基礎化粧品のフルコースをとっては何にもなりません。「もう ちょっと頑張ってみよう」と自分に言い聞かせて下さい。 　‥‥‥とは言うものの、やはり辛い。誰もがそうです。これまで 塗っていたものをまったく塗らないのですから当然です。痛ければ 痛いほど、辛ければ辛いほど、あなたの肌が化粧品に犯された度合も 強いのです。痛さと辛さは肌の悲鳴です。もっといいのは、今まで 使っていた基礎化粧品をまったく使わない代わりに、皮脂に最も近い と言われるスクワランオイル（深海鮫のエキス）などをつけることです。 　肌のツッパリが続く長さは、化粧品メーカーの美容部員の言う通りに お肌のお手入れをしてきた人ほど、また、何種類もの化粧品を 使ってきた人ほど長いと思って下さい。間違いなく言えるのは 「ツッパリの長さは化粧キャリアの長さに比例する」と言う点です。 ともかく、時間がかかると覚悟してください。 　衰えていた皮脂腺の機能が回復してくればツッパリは取れ、しっとり とした感触が戻ってきます。そして、真皮にイレズミのように付着した シミもだんだんと薄皮を剥がすように薄くなっていくでしょう。その お時間として、平均的に約3年程度の日々が必要なのです。